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住まいの防音を知る:遮音性能とは?

July 31, 2019

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快適な生活を不愉快な音によって台無しにされたご経験はありませんか。

 

防音対策が十分に行われていない部屋での生活は、朝早くの車の走行音、夜遅くのお隣のお部屋のテレビの音や話し声などの不愉快な音のせいで安眠できず、日常生活に支障をきたす可能性があります。
もし、現在そのような環境にお住いの方は、不愉快な音に悩まない快適な生活を手に入れるために防音工事がおすすめです。

 

今回は、建物の外からに建物の中に入ってくる音、または建物の中から建物の外に出て行く音を、どの程度遮ることができるかを表す「遮音性能」について、ご説明します。

 

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空気音の遮音性能:D値

音がなる場所から音が聞こえる場所の間に、音を遮るような遮蔽物(外壁・内壁・サッシ・床等)を置くと、音は小さくなります。
このような音の伝達を遮断することを遮音といいます。
住宅においては「外壁」、「内壁」、「床」、「開口部・窓」が遮音の必要な場所となります。

 

そして、上記のような住宅の場所で、騒音を遮断する能力を遮音性能と呼びます。
遮音性能は、空気の遮音を表す数値「D値」で一般的に評価されます。

 

空気音の遮音性能は、音が発生した場所での音の大きさと、音が聞こえる場所での音の大きさの差が、遮蔽物の遮音性能値です。

 

遮蔽物の密度が高く、厚みが厚いほど遮音性能が優れていると言われています。

 

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固体音の遮音性能:L値

床の遮音性能には、重量衝撃音(LH)と軽量衝撃音(LL)の2つの性能があります。
重量衝撃音とは、子供が飛んだり、跳ねたり、走ったりする時に発生する衝撃音のことをいいます。
また、軽量衝撃音とは、床に物が落ちたり、椅子を引きずる時に発生する衝撃音のことをいいます。

 

固体音の遮音性能は、上の階で発生した衝撃音が、下階で聞こえる音の大きさです。
床や下階の天井の使用によって遮音性能が左右されます。

 

このL値は小さけば小さいほど、遮音性能がよいとされています。

 

空気音と固体音について詳しくは、「音が伝わるメカニズム・空気音と個体音」をご参照ください。

 

また、遮音性能の指標としてD値、L値以外に、サッシやドアの遮音性能を示す指標として、T値も存在します。

 

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遮音が必要な場所

遮音性能が必要な場所として、集合住宅の区切る壁や共用部部分である廊下が挙げられます。
基本的に、壁も窓ガラスも厚ければ厚いほど遮音性能は高くなります。
壁の厚さはお隣の音がどれだけ洩れるかの目安になります。

 

また、集合住宅においては、音をどれだけ遮断できるかは、窓が重要となってきます。
遮音性能は厚みや密度で決まるため、どうしても壁と比較して薄い窓は遮音性能が低くなってしまいます。
そのため、サッシの防音性能が住宅の遮音性能の重要となってくることがわかります。

 

サッシの遮音性能に要因するのは、ガラス自体の遮音性能、そしてサッシ枠の遮音性能です。
加えて、隙間から音が漏れることがあるので気密性能も重要です。
順番としては最も面積の大きなガラス自体の遮音性能が最も重要であり、その次に気密性能、サッシ枠の遮音性能との順番となっています。
特に、マンション周辺に交通量の多い幹線道路や騒音を出す工場などがある場合は、窓の作りにどのような工夫がされているのかを調べておくことが必要です。

 

その他、音楽スタジオ、機械室などの防音室の壁にも高い遮音性能が必要とされています。
ただ、音楽スタジオなどの防音室の場合には、音の響きのバランスが重要となります。
音の響きが強すぎると、演奏の妨げにになり、音の響きが極端に少なすぎると、音楽に違和感が生じたりします。
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また、最近ではオフィスの遮音対策として開放的なデザイン性の高いガラスパーティションが多くみうけられます。
ただ、シングルガラス、ダブルガラス、高遮音性能タイプなど確かに種類は数多く存在しますが、製品の遮音性能の表示がメーカによって異なり、遮音性能がわかりづらくなっています。

 

遮音性能は基本的に数値が大きい方が性能は良いことは確かですが、カタログでわずかな性能差が見られたとしても、設置時の、条件によって性能が大きく変化することがあります。
特に個室と廊下の間の遮音性能はガラスパーティション単体性能よりも扉の遮音性能によって決まります。

 

音漏れに対して細部まで思い入れて作られている製品もございますので、カタログの数値にとらわれず、ショールーム等で現物を確認するか専門の方にご相談ください。

 

このように防音対策は、目的に合わせて専門の方と相談しながら検討することをお勧めします。

 

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まとめ
車の走行音や木になる生活音は、音を遮る遮蔽物(外壁・内壁・サッシ・床等)の遮音性能次第で感じ方が大きく変わります。

 

確かに最近の住宅では、騒音、生活音から生じる不快な音の問題が重視されていて、遮音性能の良い壁を使った住宅も多くなっています。
しかし、防音工事を依頼にくるお客様の中には、築何十年も経過している建物で遮音性能の低い壁が使われている案件を多く拝見します。
遮音性能の低い環境では、快適な生活とは程遠いものとなってしまいます。
防音工事でお悩みの方はぜひクリエートにご相談ください。